自転車で遊ぶ子供

待機児童問題は、その名の通り「保育園に入れない子供」「入園待ちの子供」が増えているという社会問題です。国内の中でも、東京都や埼玉県のように人口過密が目立つ地域ほど、比例して待機児童問題も顕在化している傾向にあります。

なぜ待機児童が増える?

待機児童問題が近年騒がれるようになったのは、保育園や幼稚園といった子育て施設の普及が間に合っていないというのが、主な原因です。80年代や90年代のように、専業主婦が多かった時代においては、多くの家庭で子育てをすることが可能でした。また、子供の面倒を近所の方に見てもらうといった、自治体ごとに子育てできる環境が整っていたので、保育園が少なくても大きな問題になることは少なかったのです。

しかし、女性の社会進出が進む現代においては、子供を預けられる施設が多く必要となります。これは、子供の面倒を見てくれる施設が無いと、産休や育休から職場に復帰することができないためです。加えて、今のようなご近所付き合いが廃れつつある時代においては、自治体で子育てをする概念自体が崩壊していると言っても過言ではないでしょう。さらに、地方からの移住者が多い都会においては親や親戚に子供を任せることもできません。

こういった事情が重なり、現代では待機児童問題が目立つようになってきたのです。現在のところ、この問題に対する具体的な対策は、それぞれの自治体や子育て施設に一任されているというのが現状でしょう。

結局どこに住めば待機児童問題を避けられる?

待機児童問題を避けるためには、保育士の待遇が良い地域に住まうのが得策と言えます。なぜなら、単純に保育園が多い地域といっても、働き手となる保育士の待遇が悪くては人が集まりません。保育園の中には、退職者の増加に伴い閉園となってしまった施設もあるほどです。そのため、保育士への優遇制度が手厚い自治体ほど、他方からも働き手が多く集まるため、保育園不足に悩まされることも少なくなります。

具体的に、保育士の方への優遇制度が手厚い自治体として、支援金や家賃補助などが充実している大阪府や、保育士の資格試験実施を増加している千葉県などが該当します。このほかにも、待機児童問題が深刻化してる地域ほど、対策に乗り出す傾向が強いので、将来的には首都圏を中心に、待機児童問題も沈静化していくと考えられてます。安心して子育てができる街を探す際には、これらの情報を参考に移住を検討してもよいでしょう。