ヒブワクチンってどんなワクチン?

赤ちゃんがなるべく早いうちに受けておくべき予防接種の1つに、ヒブワクチンがあります。
このワクチン、いったいどのようなものなのでしょうか。

ヒブワクチンとはHibワクチンのことで、HibはHemophilus influenzae type bを略した呼び名です。
日本語に訳すと、インフルエンザ菌b型という意味になります。

インフルエンザ菌b型(ヒブ)は、インフルエンザ菌ではありますが、冬などに流行するインフルエンザA型やインフルエンザB型といった細菌とは異なる菌です。

普段は子どもの鼻や喉に常住しており、この菌に感染すると発熱や頭痛、嘔吐といった症状が出ます。
ただ、赤ちゃんは自分の体調を伝えられないので、不機嫌になったり、おっぱいを飲まなくなったり、顔色が悪いなどの症状で判断するしかありません。
そして、この菌が血液中に入ると、細菌性髄膜炎や喉頭蓋炎、重症肺、敗血症といった重篤な症状を発する危険があります。
特に細菌性髄膜炎は怖い病気で、5%が死亡、25%が難聴やてんかんなどの後遺症が残ると報告されています。
ヒブワクチンが導入される前は、年間でおよそ600人が細菌性髄膜炎になっていました。
当時、細菌性髄膜炎は毎年約1,000人が発症していましたから、このうち60%がヒブによるもので、とても恐い細菌であることがわかります。

細菌性髄膜炎を予防するためにも、ヒブワクチンの一般的な接種のスケジュールは、接種開始年齢が生後2か月~6か月なら4回、7か月~11か月の場合は3回、1歳~4歳の場合は1回です。

ヒブワクチンは必要?

ヒブの感染は生後6か月頃から発症しやすくなるので、生後2~6か月までにワクチンを接種することをおすすめします。

ヒブ菌は細菌性髄膜炎の原因菌では約6割と最も発症率が高いので、細菌性髄膜炎を予防するためにもワクチンの接種が大切です。

また、細菌性髄膜炎の診断は、髄液検査をしないとわかりません。
初期症状は風邪に酷似しているので、風邪と間違えて見過ごしやすいという点も問題です。
ですから気がついたときには、すでに細菌性髄膜炎を発症していたというケースが多く、治療が手遅れになる危険性があるのです。

さらに、抗生物質が効きにくい菌が増えているため、治療自体が難しいのもこの病気の特徴です。
この病気の対策としては、ワクチン接種で予防することが何よりも重要なのです。

でも、どうせワクチンを受けるなら複数のワクチンを同時接種したほうが手間がはぶけます。
生後2か月からはヒブワクチンと同時に、小児用肺炎球菌やB型肝炎、ロタウイルスワクチンを接種することができます。
接種スケジュールなどもありますから、詳しくはかかりつけのお医者さんに相談しましょう。