A型肝炎ワクチンは、接種したほうがいいの?

A型肝炎ワクチンは、2013年から子どもでも受けられるようになり、WHOでは1歳以上の子どもに予防接種を受けることを勧めています。
しかし任意接種なので、子どもにA型肝炎ワクチンを接種させるべきかどうか悩まれている方も多いのではないでしょうか。

まずA型肝炎が、どのような病気なのか知っておきましょう。

A型肝炎とは、A型肝炎ウイルスに感染して発症する病気です。
生牡蠣などA型肝炎ウイルスに汚染された食べ物を食べたり、A型肝炎ウイルスが付ついた手が口を触れたりして、口から感染します。

このウイルスに感染すると、およそ2週間から7週間の期間ウイルスが潜伏し、その後体がだるくなる、発熱する、嘔吐するなどの症状が現れます。
さらに数日たつと、肝機能が衰えて黄疸の症状が出ます。

乳幼児が感染した場合は症状が軽いケースが大半ですが、年齢が上がにつれて症状が重くなり、死にいたることもある、恐い病気です。

現在の医学ではA型肝炎の治療薬は発見されておらず、症状を抑えるための対症療法が行われますが、基本的には安静にすることと食事療法が中心となります。

A型ウイルス肝炎は上下水道が整備されていない地域で多く発生するほか、このウイルスに汚染された生牡蠣を食べたて発症することがあります。
日本は上下水道が整備されており衛生環境が良好ですから、A型肝炎の抗体を持つ人が少なく、ウイルスに感染しやすくなっています。

感染を予防するためには、衛生状態の悪い地域で生水や氷、生の食べ物などを摂取しないこと、トイレの後や帰宅時、調理や食事の前に手洗いを十分に行うことですが、最も有効な予防法は、A型肝炎ワクチンを接種することです。
衛生環境が良好な日本では、A型肝炎ウイルスに感染する例はほとんどありません。
しかし途上国などに出かけるときは、A型肝炎ワクチンを接種するほうが安全です。

A型肝炎ワクチンの予防接種

A型肝炎ワクチンは1歳以上から接種できます。
2回接種するのが一般的で、1回目の摂取から2週間~4週間後に2回目を接種します。
これで1年間、このウイルスに対する免疫ができますが、さらに半年後に3回目の接種を行えば、およそ5年程度免疫が継続するとされています。

ただ、予防接種の費用は高価で、1回の摂取で6,000円~1万円程度が相場です。

A型肝炎ワクチンを接種した後に、副反応として発熱や体のだるさと、摂取した箇所が赤くなる、頭痛などの症状が現れることがあります。
しかし副反応は、数日で治まるケースが大半です。

特に接種した方がいいのは、途上国などウイルスに感染する可能性が高い国へ旅行や滞在をするケースや、A型肝炎を発症している人と一緒に暮らす予定がある場合などです。
特に、家族の一人が感染すると、ほかの家族も感染するリスクが高まりますから、途上国に出かけるときは、子どもはもちろんのこと渡航する全員が予防接種を受ける必要があります。

疑問点があれば、かかりつけのお医者さんに相談してみましょう。