妊娠中は食べ物に気をつけましょう

妊娠中はお腹の赤ちゃんの発育や健康を損なわないために、アルコールやタバコを摂取しないということは知っていても、赤ちゃんに悪影響を与える食べ物についてはそれほど詳しくないという方も多いのではないでしょうか。

妊娠中に食べてはいけないものと、それらが及ぼす影響についてまとめました。

妊娠中に食べるのを控えたほうがいい食品は?

●リステリア食中毒を引き起こすの恐れがあるもの

リステリア食中毒は、免疫力が低下している妊婦さんがかかりやすい感染症です。
感染すると38~39度の高熱が出て、最悪の場合は死に至ることもあります。
妊娠中に感染するとお腹の赤ちゃんも感染しますから、流産や早産の危険があるので十分に注意しましょう。

加熱せずに作られるナチュラルチーズや生ハム、スモークサーモンなどは、リステリア食中毒を引き起こす恐れがあるので食べないようにしてくださいね。

●トキソプラズマ症に感染する恐れがある食材

トキソプラズマという虫に感染する病気です。
生肉やユッケなどの十分に加熱していない肉類にはこの虫がいることが多いので、絶対に食べないようにしましょう。
この病気に感染すると流産や死産のリスクが高くなり、無事に産まれても水頭症になることがあります。

●水銀を含む食材

水銀を含む食材を食べても、母体にはそれほど影響はありません。
しかしお腹の赤ちゃんは、水銀を排出できないので危険です。

水銀はマグロやキンメダイなどの深海魚に含まれています。
しかしマグロなどの魚は栄養価が高いので、週に1回~2回程度であれば、食べても問題はありません。
食べ過ぎに注意しましょう。

●サルモネラ感染症の恐れがあるもの

サルモネラという細菌に感染すると食中毒を起こします。
妊娠中に食中毒を起こすと子宮が収縮するので、流産や切迫早産となるケースがあります。
生卵や加熱が不十分な肉類、無殺菌の乳製品などで感染することが多いので注意してくださいね。

このほかの子宮を収縮させやすい、ターメリックやナツメグ、バジルといったスパイスや、アロエも控えましょう。
ただ、料理に少量使用する程度では問題はありません。
これらのスパイスを使う場合は適量にとどめましょう。

●ヨウ素

妊娠中にヨウ素を過剰摂取すると、赤ちゃんの甲状腺機能が低下する恐れがあります。
ヨウ素はわかめや昆布、ひじきなどの海藻に含まれています。
ただ、ヨウ素の摂取量が不足すると、赤ちゃんが脳機能障害や発達障害を起こす危険があります。

しかし日本では出汁をはじめ、多くの食材で海藻が使われるので不足よりも過剰摂取になる可能性が高いのです。
昆布出汁だけでなく粉末のだしの素などにも昆布が使われていることもありますから、気付かないうちに過剰摂取となる可能性があります。

●レチノールを含む食品

レチノールは動物性のビタミンAのことで、妊娠初期にレチノールを過剰摂取すると、耳の形の異常など赤ちゃんの先天異常のリスクがあります。
レチノールは、ウナギ、レバー、鮎、ホタルイカ、ヨーグルトなどに含まれています。
植物に含まれているビタミンAは、過剰摂取にはならないので安心して食べてください。

ただしビタミンAは、赤ちゃんの内臓や皮膚などの成長に欠かせない栄養素です。
ビタミンAが不足しても、赤ちゃんが成長障害を起こしたり先天性の異常を起こすことがあります。
ただ、日本ではビタミンAが不足している女性は少ないので、過剰摂取に注意しましょう。

今回ご紹介した食品は、一切食べてはいけないというわけではありません。
あまり神経質にならなずに、バランスの取れた食事を心がけ、生物など食中毒になりやすい食品を控えることをおすすめします。